新しいパソコンを買ったとき、こんなことで悩んだことはありませんか?
「ウイルス対策ソフトって、別に買わないといけないの?」
家電量販店でパソコンを購入すると、ウイルス対策ソフトを一緒にすすめられることもありますよね。
年間数千円程度とはいえ、毎年となるとそれなりの出費です。
では、Windows 11に市販のウイルス対策ソフトは必要なのでしょうか。
私の考えでは、一般家庭で普通に使うパソコンなら、まずはWindows標準のMicrosoft Defenderで十分かどうかを判断すればよいと思っています。
というのも、今のWindowsには、昔と違ってウイルス対策機能が最初から搭載されているからです。
ただし、Defenderが入っているから何をしても安全、という話ではありません。
今回は、Windows 11のセキュリティ機能と、市販のウイルス対策ソフトが必要になるケースについて、SEの視点から説明します。
Windows 11には、最初からウイルス対策ソフトが入っている
Windows 11には「Microsoft Defender Antivirus」というウイルス対策機能が標準搭載されています。
昔は、Windowsをインストールしたら別途ウイルス対策ソフトを入れる、という考え方が一般的でした。
しかし、今は少し事情が違います。
Microsoft Defender Antivirusには、ファイルやプログラムを監視し、不審な動作やマルウェアを検知する機能があります。
しかも、Windowsに標準搭載されているため、別途ソフトを購入する必要はありません。
Windows Updateなどを通じてセキュリティ関連の更新も提供されます。
つまり、市販のウイルス対策ソフトを購入していないからといって、Windows 11が無防備というわけではないんです。
自分のパソコンでDefenderが動いているか確認してみよう
確認方法は簡単です。
スタートメニューから「Windows セキュリティ」を検索して起動してください。
「ウイルスと脅威の防止」を開くと、現在のウイルス対策の状態を確認できます。
設定画面から開く場合は、以下の順番です。
設定 → プライバシーとセキュリティ → Windows セキュリティ → ウイルスと脅威の防止
Microsoft Defender Antivirusを使用している場合は、リアルタイム保護が有効になっているか確認しておきましょう。
なお、会社のパソコンでは、管理者が別のウイルス対策製品を導入している場合もあります。
その場合は、勝手に設定を変更しないようにしてください。
市販のウイルス対策ソフトを入れたら、Defenderはどうなる?
ここは意外と知られていないかもしれません。
「Defenderも動かして、市販のウイルス対策ソフトも入れれば、二重に守られて安全なのでは?」
と思うかもしれませんが、基本的にはそういう仕組みではありません。
Windows 11では、互換性のある他社製ウイルス対策ソフトをインストールして有効にすると、Microsoft Defender Antivirusは通常、メインのウイルス対策としての動作を停止します。
そして、その製品をアンインストールすると、Defenderが再び有効になります。
つまり、ウイルス対策ソフトを2本インストールしたからといって、単純に防御力が2倍になるわけではありません。
むしろ、製品の組み合わせによっては競合やパフォーマンス低下の原因になることもあります。
ちなみに、企業向けのMicrosoft Defender for Endpointなどを使用している環境では、Defenderがパッシブモードで動作する構成もあります。一般家庭向けとは少し仕組みが異なります。
Defenderだけじゃない。Windowsにはほかにも防御機能がある
Windows 11のセキュリティ機能は、ウイルス対策だけではありません。
例えば、次のような機能があります。
| 機能 | 何をしてくれる? |
|---|---|
| Microsoft Defender Antivirus | ウイルスやマルウェアの検知・防御 |
| Microsoft Defender SmartScreen | 危険なWebサイトやダウンロードなどに対する警告・保護 |
| Smart App Control | 信頼性の低いアプリなどの実行を制限 |
| Microsoft Defender Firewall | 不要なネットワーク通信を制御 |
| BitLocker/デバイスの暗号化 | パソコンの紛失・盗難時などにデータを保護 |
ただし、これらの機能はWindowsのエディション、ハードウェア、設定状況によって利用条件が異なります。
特にSmart App Controlは、すべてのWindows 11パソコンで自動的に有効になるわけではありません。
SmartScreenは無効にしない方がいい
例えば、インターネットからダウンロードしたプログラムを実行しようとしたとき、Windowsに警告されたことはありませんか?
その警告には、SmartScreenなどの保護機能が関係している場合があります。
もちろん、警告されたプログラムが必ずウイルスというわけではありません。
ただ、よくわからないプログラムを実行しようとして警告が出た場合は、一度立ち止まって確認した方がいいです。
ネットで調べた手順に「SmartScreenを無効にしてください」と書かれていても、理由がわからないまま無効にするのはおすすめしません。
それでも市販のウイルス対策ソフトを買った方がいい人は?
ここまで読むと、「じゃあ市販のウイルス対策ソフトは全部不要なの?」と思うかもしれません。
そうとも限りません。
市販製品には、ウイルス対策以外にも便利な機能が付いている場合があります。
例えば、子どものインターネット利用を管理するペアレンタルコントロール、複数端末の管理、詐欺サイト対策、VPN、パスワード管理などです。
ただし、こうした機能の一部はWindowsやMicrosoftのサービスにも用意されています。製品ごとに何が追加されるのか比較する必要があります。
私なら、こんな感じで判断します。
一般家庭で、Web閲覧やメール、Office、動画視聴が中心
まずはMicrosoft Defenderを使い、Windows Updateやブラウザの更新をきちんと行う。市販製品は必須とは考えません。
子どもが使うパソコン
ウイルス対策だけでなく、利用時間の制限や有害サイト対策などが必要か確認します。Microsoft Family Safetyなどの機能も比較対象になります。
会社で使うパソコン
これは別の話です。
会社の場合は、ウイルスを検知するだけでなく、感染端末の調査、隔離、ログ収集、一元管理などが必要になることがあります。
そのため、EDR(Endpoint Detection and Response)などを含めて検討することになります。
なお、個人のWindows 11に標準搭載されているDefender Antivirusと、企業向けのMicrosoft Defender for Endpointは同じものではありません。
SE目線で言うと、ウイルス対策ソフトより気になることがある
パソコンのトラブルを調べていると、ウイルス対策ソフトが入っているかどうかだけでは判断できないことがあります。
例えば、ウイルス対策ソフトは入っているのに、Windows Updateを長期間実施していないパソコン。
これでは、既知の脆弱性が残っている可能性があります。
あるいは、ブラウザで怪しいサイトを開き、「ウイルスに感染しました!今すぐ電話してください!」と表示されて、慌ててしまうケース。
こうした偽の警告は、ウイルス対策ソフトだけで完全に防げるものではありません。
結局、セキュリティソフトを入れているかどうかより、パソコンをどう管理しているかが重要だと思います。
まずはこの3つを確認してほしい
① Windows Updateが正常に動いているか
「設定」→「Windows Update」を開いて、更新が残っていないか確認します。
② Windows セキュリティに警告が出ていないか
「Windows セキュリティ」を開いて、対処が必要な項目が表示されていないか確認します。
③ 大切なデータをバックアップしているか
個人的には、これがかなり重要だと思っています。
どれだけセキュリティ対策をしていても、マルウェア感染や故障、操作ミスなどによってファイルが失われる可能性はあります。
写真や仕事のファイルなど、失うと困るデータは別の場所にバックアップしておきましょう。
できれば、普段はパソコンから切り離しておくバックアップや、適切に保護されたクラウドバックアップも用意したいところです。
PowerShellでもDefenderの状態を確認できる
ここからは、少しSE向けの話です。
Windowsの画面から確認するだけでなく、PowerShellでもMicrosoft Defender Antivirusの状態を確認できます。
PowerShellを開いて、次のコマンドを実行します。
Get-MpComputerStatus
いろいろな情報が表示されますが、例えば以下の項目が参考になります。
Get-MpComputerStatus |
Select-Object AMRunningMode, AntivirusEnabled, RealTimeProtectionEnabled, AntivirusSignatureLastUpdated
確認する項目は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| AMRunningMode | Defender Antivirusの動作モード |
| AntivirusEnabled | ウイルス対策機能の状態 |
| RealTimeProtectionEnabled | リアルタイム保護の状態 |
| AntivirusSignatureLastUpdated | セキュリティインテリジェンスの最終更新日時 |
※他社製ウイルス対策ソフトを使用している場合や、企業の管理下にあるパソコンでは、表示結果の解釈に注意が必要です。
こうしたコマンドを覚えておくと、Windowsのセキュリティ状態を調査するときにも役立ちます。
まとめ:Windows 11なら、まずDefenderを確認すればいい
Windows 11には、Microsoft Defender Antivirusが標準搭載されています。
そのため、一般家庭で使うパソコンなら、市販のウイルス対策ソフトを必ず購入しなければならないわけではありません。
ただし、Defenderが入っていれば絶対安全、ということでもありません。
Windows Updateを適用すること、不審なファイルを安易に実行しないこと、重要なデータをバックアップすること。こうした基本的な対策も必要です。
市販のウイルス対策ソフトを購入するなら、単に「ウイルス対策ができるから」という理由ではなく、Windows標準機能にはない、自分に必要な機能があるかで判断するとよいと思います。
私なら、まずWindows標準のセキュリティ機能を確認して、不足しているものがあれば追加を検討します。



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