Nutanix AHVを運用していると、Prism Elementにさまざまなアラートが表示されます。
しかし、アラートが出てから確認するだけではなく、普段からクラスタのHealth、ストレージ、ホスト、VMなどの状態を確認しておくことが重要です。
この記事では、Nutanix Prism Elementで日常運用時に確認しておきたいアラートと健全性チェックのポイントをまとめます。

まずPrism ElementのDashboardを確認する
Nutanixの状態確認では、まずPrism ElementのDashboardからクラスタ全体を確認します。
細かい情報をいきなり調査するのではなく、
- クラスタ全体のHealth
- ストレージの状態
- ホストの状態
- 発生しているAlerts
- Performance
などを見て、異常が発生している場所を絞り込みます。
Nutanix公式資料でも、Prism ElementではHealthやUsage、Performanceの統計と、Alert/Eventメッセージを確認できます。
Alertsを確認する
次にAlertsを確認します。
アラートが発生している場合は、単に件数だけを見るのではなく、対象と詳細を確認します。
例えば、
- Storage
- Hardware
- Network
- Virtual Machine
- Cluster
など、どの部分で問題が発生しているのか確認します。
アラートのSeverityを確認する
アラートには重要度があります。
まず重要度の高いものから確認します。
Critical
サービスやクラスタ運用へ影響する可能性がある重大な問題です。
Criticalが発生している場合は、対象と影響範囲を確認し、優先的に調査します。
Warning
すぐにサービス停止につながるとは限りませんが、将来的な問題や劣化につながる可能性があります。
放置せず原因を確認します。
Information
情報レベルの通知です。
通常はCriticalやWarningより優先度は低くなりますが、変更作業などとの関連を確認する手掛かりになる場合があります。
アラートの詳細を確認する
アラートを開いたら、少なくとも次の項目を確認します。
- 何が発生したのか
- どのVM・ホスト・ディスクなどが対象なのか
- いつ発生したのか
- 現在も継続しているのか
- 推奨されている対応方法
例えば「Disk Offline」というアラートなら、単にアラートを消すのではなく、どのディスクで発生しているのかを確認します。
Storageの状態を確認する
Nutanixではストレージの状態は重要な確認ポイントです。
容量だけでなく、
- ディスクの状態
- ストレージ容量
- データ保護状態
- リビルドの有無
- IOPS
- レイテンシ
- 帯域
なども確認します。
ディスク障害後などは、単に障害ディスクを確認するだけでなく、リビルドやデータ保護の状態にも注意します。
Hardwareの状態を確認する
物理ホストについても確認します。
Nutanix Cluster Check(NCC)には、ディスクだけでなく、BIOS/BMC、ブートデバイス、NIC、電源、ファンなどハードウェアに関するチェックもあります。
PrismでHardware関連のアラートが発生している場合は、対象ホストと部品を確認します。
例えば、
- ディスク障害
- メモリ障害
- NIC異常
- 電源異常
- ファン異常
- ホスト停止
などがないか確認します。
Networkの状態を確認する
ネットワーク関連の異常もクラスタやVMへ影響します。
例えば、
- NICのリンク状態
- ネットワーク関連のAlerts
- ホスト間通信
- VMのネットワーク
などを確認します。
「VMが遅い」という症状でも、実際にはCPUやストレージではなくネットワークが原因の場合があります。
VMの状態を確認する
Virtual Machinesから、重要なVMが正常に稼働しているか確認します。
特に業務上重要なVMについては、
- Power State
- CPU使用状況
- メモリ使用状況
- ストレージI/O
- Alerts
などを確認します。
VMの動作が重い場合の詳しい切り分けはこちらの記事で解説しています。
▶ Nutanix AHVでVMが重い・遅いときの確認ポイント|CPU・メモリ・ストレージを切り分け
NCC(Nutanix Cluster Check)も活用する
Prismの画面だけでなく、Nutanix Cluster Check(NCC)もクラスタの健全性確認に利用できます。
Nutanix公式の技術情報では、NCCは各CVMにインストールされ、ハードウェアやソフトウェア、構成などについて各種Health Checkを実行する仕組みとして説明されています。
クラスタ全体のHealth Checkは、Prism Elementから実行できるほか、CVMからコマンドで実行する方法もあります。
ncc health_checks run_all
ただし本番環境では、利用しているAOS/NCCバージョンのNutanix公式ドキュメントやサポート情報を確認して実行してください。
NCCはアップデートしておく
NCC自体も更新され、Health Checkの改善や追加が行われます。
古いNCCのまま運用せず、利用中のAOSとの互換性を確認したうえで適切なバージョンを維持します。
特にAOSやハードウェアのアップグレード前には、Health Checkの結果を確認しておくと問題を早期に発見しやすくなります。
アラートが消えたから正常とは限らない
一時的な問題の場合、アラートが自動的に解消されることがあります。
しかし、問題発生時刻と同じ時間帯にPerformanceの異常やイベントがなかったか確認することも重要です。
例えばPrism ElementとPrism Central間の通信障害では、一時的な切断後に通信が復旧する場合があります。
そのような場合でも、Health CheckやPerformance情報などを確認すると、問題が一時的だったのか継続しているのか判断する材料になります。
不要なアラートをただ消すのではなく原因を確認する
大量のアラートが残っていると、本当に重要な問題を見落としやすくなります。
ただし「邪魔だから消す」のではなく、
アラート発生
↓
対象を確認
↓
原因を確認
↓
必要な対応
↓
正常化を確認
↓
アラートを整理
という流れで対応します。
定期的に確認したい項目
日常運用では、例えば次の項目を定期的に確認しておくとよいでしょう。
- クラスタ全体のHealth
- 未解決のCritical / Warning Alerts
- ストレージ使用率
- ディスクやデータ保護の状態
- AHVホストの状態
- CPU・メモリの使用状況
- ネットワークの状態
- 重要VMの稼働状態
正常時の状態を普段から見ておくと、障害発生時に「いつもと何が違うのか」を判断しやすくなります。
VM設定を変更する場合はスナップショットも検討する
調査の結果、VMの設定変更などを行う場合は、必要に応じて復旧手段を準備します。
VMスナップショットの取得・復元についてはこちらで解説しています。
▶ Nutanix AHVでVMスナップショットを取得・復元する方法【Prism Element】
CPU・メモリ不足だった場合
調査の結果、CPUやメモリ不足が原因と判断できた場合はVMのリソース増設を検討します。
▶ Nutanix AHVでVMのCPU・メモリを増やす方法|稼働中のHot Addも解説
まとめ
Nutanix AHVの日常運用では、障害が発生してからAlertsを見るだけでなく、普段からクラスタ全体の健全性を確認することが重要です。
まずは、
Dashboard
↓
Alerts
↓
Alert Details
↓
Storage / Hardware / Network / VM
↓
必要に応じてNCC
という流れで確認すると分かりやすくなります。
アラートを消すことを目的にせず、「どのコンポーネントで、なぜ問題が発生したのか」を確認してから対応することが重要です。
また、正常時のHealthやPerformanceを普段から確認しておくことで、障害時の変化にも気付きやすくなります。

コメント