Windows Serverで削除したファイルが復元できない|以前のバージョン・Windows Serverバックアップを確認した実例

Windows

Windows Serverをファイルサーバーとして運用していると、

「誤ってファイルを削除してしまったので復元してほしい」

という依頼を受けることがあります。

今回、実際にユーザーから削除したファイルの復元依頼がありました。

「以前のバージョン(シャドウコピー)があるから大丈夫だろう」と考えて確認したところ、目的のファイルが見つかりません。

そこでWindows Serverバックアップも確認しましたが、残念ながらこちらにも目的のファイルは残っていませんでした。

今回は、Windows Server 2019で削除ファイルを復元しようとした際に確認した手順を紹介します。


今回の環境

今回確認した環境は以下です。

  • Windows Server 2019
  • ファイルサーバーとして利用
  • 「以前のバージョン」を利用
  • Windows Serverバックアップを取得
  • バックアップ先はUSB接続ディスク

ユーザーから、

「以前あったファイルを削除してしまった」

との連絡があり、復元できるか調査しました。


まず「以前のバージョン」を確認

最初に確認したのがWindowsの「以前のバージョン」です。

対象フォルダーを右クリックして、

プロパティ → 以前のバージョン

を確認します。

シャドウコピーが残っていれば、削除前のフォルダーを開いてファイルを取り出せる可能性があります。

今回は複数の世代が表示されていました。

しかし、最も古い「以前のバージョン」まで遡って確認しても、目的のファイルがありませんでした。

ここで注意したいのが、

「以前のバージョンが有効=いつでも削除ファイルを復元できる」ではない

という点です。

シャドウコピーには保存領域の上限があります。

新しいスナップショットが作成されることで古いものが削除されるため、削除してから時間が経っている場合は、目的のファイルが残っていないことがあります。


次にWindows Serverバックアップを確認

「以前のバージョン」に無かったため、次にWindows Serverバックアップを確認しました。

バックアップが取得されている場合は、コマンドプロンプトから次のコマンドでバックアップ世代を確認できます。

wbadmin get versions

実際に実行すると、以下のような情報が表示されます。

バックアップ時間: 2026/09/12 23:00
バックアップ対象: 1394/USB ディスク ラベル付き Z:
バージョン識別子: 09/12/2026-14:00
回復可能: ボリューム, ファイル, アプリケーション, ベア メタル回復, システム状態

翌日のバックアップも確認できました。

バックアップ時間: 2026/09/13 23:00
バックアップ対象: 1394/USB ディスク ラベル付き Z:

このようにwbadmin get versionsを使うと、

  • バックアップ日時
  • バックアップ先
  • バージョン識別子
  • 回復可能な項目

などを確認できます。


バックアップが存在してもファイルがあるとは限らない

ここが今回のポイントでした。

Windows Serverバックアップ自体は正常に存在していました。

そのため、

「バックアップがあるなら復元できるだろう」

と思いました。

ところが実際にバックアップを開いて確認してみると、目的のファイルがありません。

つまり、

バックアップが存在することと、目的のファイルがバックアップされていることは別問題

です。

例えば、

  1. ファイルを作成
  2. バックアップ実行前にファイルを削除
  3. バックアップ実行

という順番だった場合、そのファイルは一度もバックアップされていない可能性があります。

また、バックアップの保持期間より前に削除されていた場合も、古いバックアップが既に削除されている可能性があります。


「以前のバージョン」と「Windows Serverバックアップ」は別物

今回改めて重要だと感じたのが、この2つを分けて考えることです。

以前のバージョン

VSS(Volume Shadow Copy Service)によるスナップショットを利用します。

ファイルを誤って上書きした場合や削除した場合に、ユーザー自身でも比較的簡単に復元できます。

ただし、保存領域には限界があります。

Windows Serverバックアップ

Windows Server Backupによって取得されたバックアップです。

バックアップスケジュールや保存先、バックアップ対象によって、復元可能な世代が変わります。

そのため、

「シャドウコピーを設定しているからバックアップは不要」

という考え方は危険です。

逆に、

「Windows Serverバックアップを毎日取っているから、削除したファイルは必ず戻せる」

とも限りません。


削除ファイルが見つからない場合の確認順序

今回の経験から、削除ファイルの復元依頼が来た場合は、次の順番で確認すると効率的です。

1. 現在のフォルダーを検索

まず、本当に削除されたのか確認します。

別フォルダーへ移動されているだけというケースもあります。

2. 「以前のバージョン」を確認

対象フォルダーのプロパティから「以前のバージョン」を確認します。

できるだけ削除前と思われる日時まで遡ります。

3. Windows Serverバックアップを確認

次のコマンドでバックアップ世代を確認します。

wbadmin get versions

削除前の日付のバックアップが存在するか確認します。

4. バックアップ対象を確認

バックアップ自体が存在していても、対象ドライブやフォルダーがバックアップ対象になっていなければ復元できません。

Windows Serverバックアップの設定も確認します。

5. 削除された時期を確認する

意外と重要なのが、

「いつ削除したのか」

です。

「昨日消した」という場合と、

「気付いたら無かった。最後に見たのは数か月前」

では、復元できる可能性が大きく変わります。


バックアップは「取れている」だけでは安心できない

今回のケースでは、

  • 以前のバージョンが存在
  • Windows Serverバックアップも存在

という状態でした。

それでも目的のファイルを復元することはできませんでした。

ここから分かったのは、

バックアップは取得するだけではなく、「どこまで遡って復元できるのか」を把握しておくことが重要

ということです。

例えば毎日バックアップを取得していても、保持できる世代が短ければ、数か月前に削除されたファイルは戻せません。

ファイルサーバーでは、

  • バックアップ頻度
  • 保持世代
  • バックアップ容量
  • シャドウコピーの割り当て容量
  • 実際に復元できるか

を定期的に確認しておいた方がよいでしょう。


まとめ

Windows Serverで削除されたファイルを復元する場合は、まず「以前のバージョン」を確認し、見つからなければWindows Serverバックアップを確認します。

バックアップ世代は、

wbadmin get versions

で確認できます。

ただし、

バックアップが存在しているからといって、目的のファイルが必ず復元できるわけではありません。

今回のケースでは、「以前のバージョン」とWindows Serverバックアップの両方を確認しましたが、目的のファイルは見つかりませんでした。

バックアップ運用では「バックアップが成功しているか」だけでなく、

「必要なファイルを、必要な時点まで遡って本当に復元できるのか」

まで確認することが重要だと改めて感じました。

ファイルサーバーを管理している方は、一度wbadmin get versionsを実行して、現在どこまでバックアップが残っているか確認してみることをおすすめします。

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