以下は、それぞれのコマンドの目的と、「何を確認すれば正常なのか」をまとめたものです。
ADサーバーの点検手順書にもそのまま利用できる内容です。
下のコマンドを実行した結果をテキストに保存しておいて、作業前と作業後で結果を保存して、差分比較をして作業前と同じ状態であるか確認ができます。
| 項目 | コマンド | 説明 | 正常時の確認ポイント |
|---|---|---|---|
| 時刻同期確認 | w32tm /stripchart /computer:IPアドレス /samples:500 /dataonly | 指定したNTPサーバーまたはDCとの時刻差を500回測定する。Kerberos認証は時刻差5分以内が必須。 | Offsetが数ms~数十ms程度で安定していること。大きなずれや増加傾向がないこと。 |
| FSMO確認 | netdom query fsmo | FSMO(5つの役割)の保持サーバーを表示する。 | 想定しているDCが各FSMOロールを保持していること。 |
| DC間同期状況確認 | repadmin /replsummary | Active Directory全体のレプリケーション状況を一覧表示する。 | failsが0、Largest Deltaが異常に長くないこと。 |
| DC間複製状態確認 | repadmin /showrepl | 各パーティションごとのレプリケーション状態を表示する。 | Last attempt successful が表示され、エラー番号がないこと。 |
| DC詳細診断 | dcdiag /v | ドメインコントローラーの詳細な健康診断を実施する。 | Failed testがなく、全テストがPassedとなること。 |
| SYSVOLレプリケーション方式確認 | dfsrmig /getglobalstate | SYSVOLがFRSかDFSRかを確認する。 | Current DFSR global state : Eliminated (State 3)ならDFSR運用。StartやPreparedなら移行途中。 |
| DC健康診断(エラーのみ) | dcdiag /q | エラーのみ表示する簡易診断。 | 何も表示されなければ正常。 |
| DNS診断 | dcdiag /test:dns | DNS登録・名前解決・ゾーン構成などを診断する。 | PASSのみでFailやWarningがないこと。 |
| 共有フォルダ確認 | net share | DCが公開している共有フォルダを表示する。 | NETLOGON、SYSVOL が存在すること。 |
| 他ADとの複製確認 | repadmin /showrepl 他ad | 他ADとのレプリケーション状態のみ確認する。 | 全パーティションが成功していること。 |
| レプリケーションキュー確認 | repadmin /queue | レプリケーション待ちキューを表示する。 | キューが0または短時間で消えること。大量に残っていないこと。 |
| SYSVOL共有確認 | dcdiag /test:sysvolcheck | SYSVOLが正常に共有されているか確認する。 | Passedとなること。 |
| DC広告確認 | dcdiag /test:advertising | DCとして正常に広告(Advertise)されているか確認する。 | Passedとなること。 |
| Kerberosチケット確認 | klist | 現在保持しているKerberosチケットを表示する。 | TGTやサービスチケットが取得されており、有効期限が正常であること。 |
| DC総合診断 | dcdiag /e /c | フォレスト内すべてのDCに対して全テストを実施する。非常に時間がかかる。 | 全DCでFailed testがないこと。 |
特に重要な確認項目(優先順位)
Windows Update後やDC再起動後は、最低でも以下を確認することをおすすめします。
netdom query fsmo- FSMOロールが消えていないこと
repadmin /replsummary- レプリケーションエラーが0件
repadmin /showrepl- すべて Successful
dcdiag /q- エラーなし
dcdiag /test:dns- DNS異常なし
net shareSYSVOLとNETLOGONがある
dfsrmig /getglobalstateEliminated (State 3)(DFSR環境の場合)
w32tm /stripchart- 時刻差が数十ms程度以内
もし、repadmin /replsummary で同期エラーが出た場合の対処
① エラーが少数(1~数台)の場合
個別同期がおすすめです。
repadmin /showrepl
でどのDCが失敗しているか確認し、
repadmin /replicate <宛先DC> <元DC> "DC=xxx,DC=local"
または
repadmin /syncall <対象DC> /AdeP
で対象DCだけ同期します。
メリット
- ネットワーク負荷が少ない
- 問題の切り分けがしやすい
- 失敗しているDCだけ再同期できる
② 多数のDCでエラーが出ている場合
例えば
Fails : 50
のような場合は、
repadmin /syncall /AdeP
で全体同期を実施する方が効率的です。
オプションの意味
/A 全パーティション
/d DN形式で表示
/e サイトをまたいで同期
/P Push同期
つまり、
フォレスト全体のレプリケーションを強制実行します。
同期が失敗していたときの流れ
repadmin /replsummary
↓
エラーが出たら
repadmin /syncall /AdeP
↓
再度
repadmin /replsummary
という流れで十分です。
Largest Delta
が大きくなったり、
RPC unavailable
1722
1726
1256
などが一時的に出ることがあります。
このようなケースは、DCが起動直後でサービスが完全に立ち上がっていないことが原因のことも多いため、
- 5~10分待つ
repadmin /syncall /AdePrepadmin /replsummary
の順で確認するのがおすすめです。



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