Nutanix AHVで仮想マシンの設定変更やディスク拡張を行う前に、「失敗したら元に戻せるようスナップショットを取得しておきたい」ということがあります。
Nutanix AHVでは、Prism ElementからVMのスナップショットを手動で取得できます。
作成したスナップショットは、以前の状態への復元(Restore)だけでなく、スナップショットを元に別VMを作成するCloneにも利用できます。
この記事では、Nutanix AHVでVMスナップショットを取得・確認・復元する基本的な方法と、利用するときの注意点を解説します。

Nutanix AHVのVMスナップショットとは?
VMスナップショットは、ある時点の仮想マシンの状態を保存しておき、必要になったときにその状態を利用する仕組みです。
例えば、次のような作業前に利用できます。
- Linuxのディスク拡張
- OSアップデート
- アプリケーション更新
- 設定ファイル変更
- ミドルウェア変更
- 検証作業
変更後に問題が発生した場合、スナップショットを利用して以前の状態へ戻せる可能性があります。
Prism ElementからVMスナップショットを取得する
Nutanixの公式資料では、Prism ElementからVMのスナップショットを手動作成できます。
基本的な流れは次のとおりです。
- Prism Elementへログイン
- VM画面を開く
- Table表示にする
- 対象VMを選択する
- Take Snapshotを実行する
- スナップショット名を入力する
- Submitを実行する
Prism ElementやAOSのバージョンによって、画面の名称や配置が異なる場合があります。
スナップショット名を決める
後から何のために取得したスナップショットなのか分からなくならないよう、目的が分かる名前にしておくと便利です。
例えばディスク拡張前なら、
before_disk_expand_20260929
OSアップデート前なら、
before_os_update_20260929
のようにしておくと分かりやすくなります。
NutanixのPrism Element資料では、手動スナップショットの名前には英数字、ピリオド、ダッシュ、アンダースコアを使用するよう案内されています。
作成したスナップショットを確認する
作成したVMスナップショットは、対象VMのSnapshotsタブから確認できます。
一覧では、作成日時やスナップショット名などを確認できます。
作業前にスナップショットを取得した場合は、作成処理が完了して一覧に表示されていることを確認してから本作業へ進むとよいでしょう。
スナップショットからVMを復元する
設定変更やアップデート後に問題が発生した場合は、作成したスナップショットからVMを以前の状態へ復元できます。
対象VMのSnapshotsから戻したいスナップショットを選択し、Restoreを実行します。
Restoreを実行するとVMを過去の状態へ戻すことになるため、スナップショット取得後に行われた変更やデータ更新に影響する可能性があります。
業務サーバーで実行する場合は、現在のデータを失って問題ないか確認してから実施してください。
スナップショットからCloneもできる
NutanixのVMスナップショットは、元のVMを直接戻すだけでなく、スナップショットを元に別のVMをCloneとして作成することもできます。
これは、
- 元のVMを残したまま過去の状態を確認したい
- 障害発生前の状態を調査したい
- 検証用VMを作りたい
といった場合に便利です。
元VMを直接Restoreする前にCloneで状態を確認する方法も、状況によっては安全な選択肢になります。
不要になったスナップショットは削除する
作業が正常に完了し、以前の状態へ戻す必要がなくなったスナップショットは、Snapshots一覧からDeleteできます。
スナップショットは永続的な保管場所として作成するものではありません。
「念のため」と大量の古いスナップショットを残し続けるのではなく、用途が終了したものは運用ルールに従って整理します。
スナップショットはバックアップではない
ここは特に重要です。
Prism Elementから手動で取得するVMスナップショットを、通常のバックアップやDRの代わりとして考えるのは避けた方がよいでしょう。
NutanixのAHV Administration Guideでは、VM Dashboardから作成する手動スナップショットはローカルに保存され、他サイトへレプリケーションできないことが説明されています。
一方、NutanixにはProtection DomainやProtection Policyなどを利用して、スケジュールされた保護やDR用のRecovery Pointを作成する仕組みがあります。
つまり、
手動VM Snapshot
↓
作業前などの一時的な復旧ポイント
Protection Domain / Protection Policy
↓
継続的なデータ保護・DR
というように、目的を分けて考える必要があります。
スナップショットを取得しておきたい作業
運用中のVMでは、次のような変更前にスナップショットが役立つ場合があります。
仮想ディスクを拡張する前
パーティションやLVMを操作する場合は、操作ミスに備えて作業前の復旧手段を確保しておくと安心です。
Nutanix AHV上のRocky Linux 9で実際にディスクを50GBから100GB・150GBへ拡張した手順は、以下の記事で紹介しています。
▶ Nutanix AHVでLinux仮想マシンのディスク容量を拡張する方法【Rocky Linux 9】
OSアップデート前
OSやカーネルの更新によってアプリケーションやドライバーに問題が発生する可能性がある場合、変更前の復旧ポイントとして利用できます。
大きな設定変更前
ネットワーク設定、ミドルウェア、アプリケーションなど、大きな変更を行う前にも利用できます。
スナップショットだけに頼らない
スナップショットがあるからといって、重要なVMのバックアップが不要になるわけではありません。
例えばクラスタ自体に重大な障害が発生した場合、同じクラスタ内にしか存在しない手動スナップショットだけでは十分な保護にならない可能性があります。
重要なサーバーでは、
- 通常のバックアップ
- Nutanixのデータ保護機能
- 別環境へのレプリケーション
- アプリケーション固有のバックアップ
などを組み合わせて考えます。
SnapshotとRecovery Pointの違い
Nutanixを利用していると、SnapshotのほかにRecovery Pointという言葉も出てきます。
Prism ElementではVM Snapshot、Prism Centralのデータ保護ではRecovery Pointという形で扱われることがあります。
Recovery PointはProtection Policyなどによるデータ保護・DRの仕組みと組み合わせて利用できます。
単純に名前だけで判断せず、Prism Elementの手動スナップショットなのか、データ保護機能によって作成されたRecovery Pointなのかを確認することが重要です。
まとめ
Nutanix AHVでは、Prism Elementから仮想マシンのスナップショットを手動で取得できます。
基本的な流れは、
対象VMを選択
↓
Take Snapshot
↓
スナップショット作成
↓
Snapshotsで確認
↓
必要に応じてRestore / Clone
↓
不要になったらDelete
となります。
ディスク拡張やOSアップデート、大きな設定変更の前など、一時的な復旧ポイントとして便利です。
ただし、手動スナップショットは通常のバックアップやDRそのものではありません。
重要なVMでは、スナップショットだけに頼らず、バックアップやNutanixのProtection Domain・Protection Policyなどを含めてデータ保護を設計することが重要です。

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